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2025.12.18

2025.12.18

クーリングタワー(冷却塔)のトラブル対策とメンテナンス|効率低下を防ぐ清掃・水質管理のポイント

クーリングタワー

工場のユーティリティ設備の中でも、生産設備の安定稼働に直結する重要な役割を担っているのが「クーリングタワー(冷却塔)」です。しかし、屋上や屋外の目立たない場所に設置されていることが多いため、トラブルが発生して初めてメンテナンスの不備に気づくケースも少なくありません。

「冷却水の温度が下がらず、ラインがチョコ停する」

「配管が詰まり、ポンプに過負荷がかかっている」

「近隣から騒音や異臭の苦情が来た」

このような課題は、適切なメンテナンスと水質管理を行うことで未然に防ぐことが可能です。本コラムでは、現場の保全担当者様向けに、クーリングタワーのよくあるトラブル原因と、設備の延命化・効率維持のための対策ポイントを解説します。

工場の安定稼働を脅かすクーリングタワーの「3大トラブル」

クーリングタワー

クーリングタワーは、水と空気を直接接触させて熱交換を行う仕組み上、外部環境の影響を受けやすく、汚れやトラブルが集中しやすい設備です。現場で頻発する3つの主要トラブルを押さえておきましょう。

1. スケール・スライムによる冷却能力の低下

冷却水は循環して使用されるため、蒸発に伴い水中のミネラル分(カルシウム、シリカ等)が濃縮されます。これらが結晶化して熱交換器や充填材に付着したものが「スケール」です。

また、藻やバクテリアが繁殖してドロドロの塊になったものが「スライム」です。これらが付着すると熱交換効率が著しく低下し、水温が下がらなくなるだけでなく、配管の閉塞を引き起こします。

2. 腐食(錆)による配管トラブルと寿命短縮

冷却水が酸化雰囲気になりやすいことや、スケールの付着箇所が局所腐食を起こすことで、配管や冷却塔本体の金属部分に錆が発生します。腐食が進行すると、配管の穴あきによる水漏れ(ピンホール)や、錆詰まりによる流量低下を招き、設備寿命を大幅に縮めてしまいます。

3. レジオネラ属菌の繁殖と飛散リスク

衛生管理の面で特に注意が必要なのが、レジオネラ属菌です。冷却塔内で繁殖した菌がエアロゾル(細かい水滴)に乗って飛散すると、近隣住民や従業員の健康被害(レジオネラ症)を引き起こすリスクがあります。これは単なる設備トラブルではなく、企業のコンプライアンス問題に直結します。

冷却効率を取り戻す!適切なメンテナンスと水質管理

クーリングタワー 清掃

トラブルを防ぎ、クーリングタワーの性能を維持するためには、「物理的な清掃」と「化学的な水質管理」の両輪が必要です。

定期的な清掃と充填材の洗浄・交換

年に1回程度の定期清掃が推奨されます。下部水槽(サンプタンク)の清掃だけでなく、熱交換の要である「充填材」の詰まりを除去することが重要です。高圧洗浄機等でスケールやスライムを落としますが、充填材が経年劣化で脆くなっている場合は、新品への交換が必要です。

水処理剤(薬品)の最適選定による予防保全

清掃直後の状態を維持するためには、水質管理が欠かせません。

  • スケール防止剤: ミネラルの結晶化を防ぐ。
  • 防食剤: 配管内に皮膜を作り、錆を防ぐ。
  • スライムコントロール剤(殺菌剤): 菌や藻の繁殖を抑制する。

これらの薬剤を、水質や設備の材質に合わせて適切に選定・注入し、定期的なブローダウン(濃縮水の排水)と給水を行うことで、水質を一定レベルに保つことが設備の延命化につながります。

クーリングタワーのメンテナンス・更新なら羽根田商会にお任せ下さい!

羽根田商会

クーリングタワーのトラブルは、単に「冷えない」というだけでなく、生産ライン全体の停止リスクや製品品質の低下に直結します。しかし、自社で清掃を行うには人手が足りず、どの業者に頼めばよいか分からないというお悩みも多く伺います。

株式会社羽根田商会は、機械工具商社としての調達力と、現場施工を行うエンジニアリング機能を併せ持っています。

特定のメーカーに縛られず、以下のような柔軟な対応が可能です。

  • 充填材の交換やファンモーターの修理・オーバーホール
  • 老朽化したクーリングタワーの撤去・新規据付工事
  • 冷却水配管やポンプを含めた循環系全体の改善提案

「水温が下がらず困っている」「長年メンテナンスをしていないので見てほしい」「薬品を変えてコストを下げたい」など、工場設備の冷却に関するお困りごとがあれば、ぜひ一度ご相談ください。現場確認から施工、アフターフォローまでワンストップで対応いたします。

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