自動倉庫の大規模リニューアル
内容
これまでの課題
航空機部品を扱う大規模物流倉庫では、設備導入から20年以上が経過し、パレットクレーン、バケットクレーン、コンベア、STVといった自動倉庫システム全体の老朽化が深刻な問題となっていました。部品の入出庫頻度が高く、24時間稼働を前提とした運用環境下では、設備停止による業務への影響は計り知れません。
設備メーカーに相談したところ、既存システムのリニューアルは不可能との回答があり、新規設備への全面入替えが提案されました。しかし、新規導入には莫大な設備投資が必要となるうえ、既存の建屋構造や運用オペレーションとの整合性を取るための工事期間も長期化します。航空機部品という高価値製品を扱う現場では、長期にわたる倉庫機能の停止は許容できません。
また、メーカー側の「リニューアル不可」という判断に対し、本当に技術的な限界なのか、それとも新規導入を優先したビジネス判断なのか、見極めが困難でした。設備投資の判断を迫られるなか、客観的な技術評価が得られず、最適な設備保全計画を立案できない状況が続いていました。
この課題を解決できるのが大規模自動倉庫リニューアル
こうした課題に対し、羽根田商会は既存設備を活かした大規模リニューアルをご提案しました。パレットクレーン3基、バケットクレーン15基、コンベア45式、STV8台という大規模な設備群に対し、オーバーホールと部分的な新規製作を組み合わせることで、新規入替えの約半分のコストで設備延命を実現しています。
重要なのは、単なる修繕ではなく、制御システムの更新や駆動部品の高性能化により、信頼性を新設時と同等レベルまで回復させる点です。既存の建屋構造や運用フローを維持したまま工事を段階的に進めることで、倉庫機能を停止させることなく、リニューアルを完遂しました。
なぜ大規模リニューアルが課題を解決できるのか
既存設備を活かしたリニューアルには、以下の明確なメリットがあります。
投資コストの大幅削減
新規入替えに比べ、設備投資額を約50%に圧縮。既存の構造躯体や配線インフラを活用することで、建屋改修費用や付帯工事費を最小化します。限られた設備投資予算のなかで、最大限の設備改善効果を実現できます。
工期短縮と業務継続性
段階的な更新により、倉庫機能を維持しながら工事を進行。新規導入で必要となる長期間の倉庫閉鎖を回避し、サプライチェーンへの影響を最小限に抑えます。航空機部品という高付加価値製品の物流を止めない点が、事業継続の観点から極めて重要です。
運用ノウハウの継承
既存システムの操作性や運用フローを踏襲することで、現場オペレーターの習熟度を活かせます。新システムへの移行に伴う教育コストや操作ミスのリスクを低減し、安定した倉庫運営を継続できます。
設備寿命の延長
主要な機械要素や制御盤を更新することで、さらに15年以上の稼働が見込めます。計画的な設備投資により、トータルライフサイクルコストを最適化し、持続可能な設備保全体制を構築します。
大規模自動倉庫リニューアルの特徴
セカンドオピニオンによる技術評価
メーカーの「リニューアル不可」という判断に対し、独自のネットワークを活かした協力会社との技術検証を実施。客観的な技術評価により、リニューアルの実現可能性を見極めました。設備投資の意思決定において、複数の技術的見解を得ることの重要性を示しています。
大規模設備のプロジェクト管理
パレットクレーン、バケットクレーン、コンベア、STVという多岐にわたる設備群を、一括してリニューアル。各設備の相互依存関係を考慮した工程管理により、段階的な更新を実現しました。大規模プロジェクトにおける統合的なマネジメント能力が、工事の成否を左右します。
制御システムの刷新
20年前の制御技術から最新のPLCシステムへ更新。ネットワーク化による遠隔監視機能の追加や、予知保全機能の実装により、設備稼働率の向上とメンテナンス効率化を実現しています。
競争入札による適正価格
既存メーカーと競争入札を実施することで、市場原理に基づいた適正な工事価格を実現。顧客主導の設備保全計画により、最適な延命投資につなげました。設備投資の透明性確保と費用対効果の最大化を両立しています。
自動倉庫・物流設備のリニューアルは羽根田商会にお任せください
羽根田商会は、工作機械・FA設備・物流システムまで、製造業の生産設備を幅広く支える専門商社です。国内700社、海外100社以上のネットワークを活かし、設備メーカーに依存しない客観的な技術評価と、最適なリニューアル提案を実現します。
老朽化した自動倉庫や物流設備の延命をご検討の際は、まずはセカンドオピニオンとして羽根田商会までお気軽にご相談ください。現地調査から設計・施工・アフターサービスまで、一貫したサポート体制で貴社の設備保全をバックアップします。